映画「おわらない物語 アビバの場合」はトッド・ソロンズ監督の作品で、同監督の他の作品としては「ウェルカム・ドールハウス」や「ストーリーテリング」、「ハピネス」などが知られています。ブラックユーモアを上手く盛り込んでの映像作りが特徴で、それと合わせてお洒落な雰囲気がある事により、バランスの取れた作品が多くなっています。実力派の監督であるガス・ヴァン・サント氏、ギャスパー・ノエ氏も絶賛し、評価も高い作品です。
キャストはオーシャンズ13にも出演したエレン・バーキン、スティーヴン・アドリー＝ギアギスなどの実力派女優、俳優が出演しており、ストーリーの魅力を高めてくれています。
主人公のアビバは少女の時代から始まり、年齢を重ねていく経過を描いていますが、その時代ごとに合わせて、異なる8人の女優が演じている事でも話題になりました。細かく年代ごとに配役を変えて作られている事で、よりリアルに感情移入できるようになっています。
見どころはやはりストーリーの内容です。中絶の問題を描いている作品で、主人公のアビバの従妹は、レイプされて自殺をしてしまいます。アビバはそれを知り、絶対に子供を作って幸せな家庭を築くと誓います。しかしアビバは12歳で妊娠してしまい、中絶した事をきっかけに子供を産めなくなってしまいます。
しかし両親はアビバにその事は黙ったままにし、アビバは旅に出て、母親になる決意をします。ストーリーの中ではユーモアも含めながら、現代社会の話題について考えさせられる内容になっています。時には泣けるシーンもあり、様々な角度から楽しめる作品になっています。単なるエンターテイメント映画ではなく、じっくりと観られる映画をお探しの方には、お勧めの1本です。